「お姉ちゃんは成績がいいのに、私は頑張っても成績が上がらない」
「お兄ちゃんはスポーツでいっぱい表彰されてるのに、私はパッとしない」
子どもが、すごくデキる兄弟と自分を比べて、劣等感を抱えてしまうことってありませんか?
今まで私は「子どもがこんな悩みをもつのは中学生や高校生になってからじゃないの?」
と思っていました。
しかしそれは私の思い込みでした。
まだ小学校2年生の末っ子が、最近この劣等感に悩んでいたのです。
今回は、まだ2年生の末っ子が兄弟に対して劣等感をもった背景と、その後どうやって元気を取り戻したかについてお話します。
きっかけは小学校のマラソン大会だった。
上位入賞した姉・兄と自分との順位の差に落ち込む末っ子。
我が家の子どもたちは3人兄弟。長女(4年生)と長男(3年生)は運動が得意で、校内マラソン大会などの行事で賞状をもらってくることが多いです。その一方で、末っ子は身体を動かす遊びは大好きだけど、運動が得意なほうじゃありません。
つい最近おこなわれたマラソン大会でも、長女と長男は納得のいく成績をおさめ大喜び。末っ子は不本意な結果に終わり、浮かない顔をしていました。
末っ子「きょうだいで私1人だけ賞状もらえなかったし、順位も遅い…どうせ私なんか頑張っても無理だよ」
とネガティブ発言を繰り返します。
親は子ども同士を比べているつもりがなくても、子ども自身が兄弟と自分を比べて落ち込んでいた。
親としては、怪我をせずゴールしてくれただけで大満足です。
人はそれぞれ得意なこと、苦手なことがあって当たり前。
お姉ちゃん・お兄ちゃんが上位入賞できたのもすごいけれど、末っ子の頑張る姿はとても素晴らしく愛おしいものでした。
この気持ちを伝えたくて、私と夫から末っ子に、
「最後まで諦めないで走り切ることができて、本当によく頑張ったね」
「来年もまたチャンスがあるよ」
といった言葉をかけました。
しかしこの気持ち、末っ子には全く届かなかったのです。
「でも、私だけ賞状もらえなかったもん。頑張っても来年もきっともらえないわ。」
と言って、曇った表情のまま…
親や周囲の人間が子ども同士を比べているつもりがなくても本人はそう感じてしまったり、末っ子自身が、兄弟と自分を比べてしまい落ち込んでいたようです。
落ち込む末っ子に対して私がとった行動と、末っ子の反応。
そんな中、(末っ子にとっては)さらに追い打ちをかけるような出来事が。
長女と長男が、マラソン大会の賞状を壁に飾ってほしいと言ってきたのです。
彼らがマラソンを頑張ったのも事実。
小さいながらも賞状を飾るスペースだってあるし、断る理由もありません。
末っ子の落ち込む様子を見ると少し迷いましたが、私は長女と長男の賞状を飾ることにしました。そして賞状と一緒に「あるもの」を飾ることにしたのです。
その「あるもの」とは、少し前に末っ子が作った切り絵の作品。
遊んでいるときに作って、そこらへんに何気なく放置されていたのですが、なんだか可愛くて。私が気に入って保管していたものです。
壁に飾った賞状を目にして、一瞬ため息をついた末っ子。
しかし自分が作った切り絵を見つけたとたんに、表情がみるみる変わります。
「ママ、これ私の!!」
目を輝かせて声をあげました。
「そうだよ。ママはこの切り絵が大好き。すっごく素敵だから飾ってもいい?」
私がこう聞くと、末っ子は嬉しそうに「オッケー♪」と言ってくれたのです。
末っ子のその後の変化。コンプレックスはどうなっていったか?
その後、末っ子は自分の好きなことにどんどん挑戦しています。
切り絵の作品を作ったり、絵を描いたり、「歌が大好きだから、高学年になったら合唱クラブに入るの」と言って歌の練習をしたりしています。
今まではお姉ちゃん・お兄ちゃんの真似をして一生懸命ついていこうとしていた末っ子が、自分の好きなことを見つけて楽しんでいる姿を見られるのが、私はとても嬉しいです。
まだ走ることへの苦手意識は消えたわけではありませんが、もともと体を動かす遊びは大好き。体育の授業や休み時間のドッジボールなどには楽しく参加しているようです。「運動は得意じゃないけど好き」という気持ちが変わることはなくてホッとしました。
受賞したからでもなく、じょうずに出来るからでもなく、そのままのあなたが大好き!
子どもはいつだって親から認められていたいし、褒められたい。
その点では兄弟というのはある意味ライバル同士なのかもしれません。年が近ければその傾向はより顕著なものになるのではないでしょうか。そのライバル意識が違った方向にいってしまうと兄弟のあいだに劣等感が生まれてしまうことも…
でも、子どもが自信を持つために一番大切な根っこの部分「愛されている」「認められている」という実感は、私たち親が育てることができると思うんです。
赤ちゃんや幼児の頃は兄弟みな似たように成長してきましたが、少し大きくなるとそれぞれ個性が出て得意不得意がハッキリと目に見える形になってきます。でも私たち親から見れば、子どもが表彰されたり、じょうずに出来て嬉しいっていうのは二の次なんですよね。
我が子が何か真剣に取り組む姿や、夢中になって楽しんでいるところ、こうして得られた結果に喜ぶ我が子の顔、さらに言ってしまえば悔しがる姿も。その全てが愛おしい存在で、私の中ではそこがまず一番なんです。
(それがなかなか伝わらないのがツラいんですけどね 涙)
だから私から我が子に伝えたいのは、
「頑張ってるね」、「いつも応援してるよ」、「大好き」!!
子どもの成長とともに難しい時期も来ると思いますが、この気持ちをどんなときも、態度と言葉にして伝えていくつもりです。